こんにちわ!
このブログの管理人ペン介です!
ここでは法律事務の専門家である司法書士の私が、相続放棄について分かりやすく解説しています。
どうぞ、ゆっくりしていって下さい!
近年、「相続放棄」をする人が増えています。
「相続放棄」をする理由は借金、疎遠等、様々です。
そして、「相続」を考える場面は親が亡くなったときだけではありません。
もしかしたら、普段付き合いのない親戚の相続人になる可能性もあります。
この「相続放棄」はやり方、要件、効果を知らないと取り返しの付かないことになってしまいます。
この記事では、相続放棄の要件、効果だけでなく、やり方まで解説しています。
急に「相続放棄」を考えないといけないような状況になったときに慌てないよう、「相続放棄」について学んでみましょう!
「相続放棄」の手続きは戸籍収集さえ出来れば、意外と簡単です。
ここで学んで、自分でやってみましょう!
相続放棄のやり方
まず「相続放棄」のやり方について解説します。
よろしくお願いします。
「相続放棄」の手続は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所にて行います。
手続の流れは以下のとおりです。
戸籍の収集が結構面倒くさいです。
以下で、細かく説明します。
手続をする場所
被相続人(亡くなった人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所が「相続放棄」の手続先です。
家庭裁判所の管轄は、次の家庭裁判所のHPから探すことができます。
裁判所が遠方の場合は、郵便でもOK!
手続内容
自分が相続人であることを知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出する必要があります。
相続放棄申述書は、以下の家庭裁判所のHPからダウンロード出来ます。
記入例があるので、簡単に記入できます!
必要書類
必要書類には、どのケースにも必要な書類とケース毎に求められる書類があります。
【どのケースでも必要な書類】
- 相続放棄申述書
- 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
- 申述人の戸籍謄本
【被相続人の配偶者が申述する場合に必要な書類】
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等
【被相続人の直系卑属(子、孫等)が申述する場合】
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等
- 申述人が孫等の場合は、子等(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍謄本等
【申述人が、直系尊属(父母、祖父母等)の場合】
- 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 被相続人の子で死亡している人がいる場合、その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 被相続人の直系尊属に死亡している人がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等
【申述人が、被相続人の兄弟姉妹及び甥姪の場合】
- 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 被相続人の子で死亡している人がいる場合、その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等
- 申述人が甥姪の場合、兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本等
本籍地が遠方だと、郵便で戸籍謄本等を集めることになります。
面倒だと思う方は司法書士にご依頼下さい。
手続費用
相続放棄申述書に800円分の収入印紙を貼る必要があります。
相続放棄申述書を提出するときに郵便切手(裁判所からの書類配達に使う)も一緒に提出する必要があり、その費用は裁判所によって異なるため、裁判所に事前確認する必要があります。
手続費用=800円+切手代+戸籍等取得代
司法書士の報酬は大体3~4万円くらいです。
「相続放棄」のやり方は以上です!
意外と簡単そうでしょ?
「相続放棄」する前に
「相続放棄」はとても大切な手続です。
「相続放棄」する前に、まずは「相続放棄」について知りましょう!
知らないと、「相続放棄」を選べないもんね!
まずは「相続放棄」の条文を見てみましょう。
民法915条
1 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
民法915条より、相続人は自分が相続人であることを知ってから3ヶ月以内に以下を選択しなくてはいけません。
- 単純承認
- 限定承認
- 相続放棄
単純承認
「単純承認」とは、相続人が被相続人(亡くなった人)の権利義務全部を引き継ぐことをいいます。
財産も借金も全てを引き継ぐことになります。
また、3ヶ月以内に「限定承認」、「相続放棄」をしなかった場合や、相続財産を処分した場合等は「単純承認」したものとみなされます。
限定承認
「限定承認」とは、プラスの相続財産を限度として、マイナスの相続財産を相続することをいいます。
「限定承認」するには、「相続放棄」と同じく裁判所で手続が必要です。
「限定承認」すると、相続人はプラスの相続財産を超えるマイナスの相続財産を相続することはありません。
ただ、相続人が数人いる場合は全員で「限定承認」の手続をする必要があります。
相続放棄
「相続放棄」すると、初めから相続人でなかったものとみなされます。
つまり、相続する権利義務がなくなるということです。
心情的に「相続放棄」の選択を躊躇ってしまう方が多いです。
自分が相続人であることを知ってから3ヶ月を過ぎている場合でも、「相続放棄」が認められる場合があります。
後から借金があることが分かった場合等も諦めないで下さい!
「相続放棄」する人が増えている?
従来の「相続放棄」を選択する理由の多くは借金や親族間の疎遠でした。
しかし、近年は異なる理由で「相続放棄」を選択する人が増えています。
なぜ、「相続放棄」するのでしょうか?
その理由は、相続したくないからです。
田舎から出た人が、遠方の田舎にある不動産を管理することは難しく、売却もできないため、お金だけがかかってしまいます。
昔とは考え方が変わり、今ではそのような財産は負の財産とされます。
そのため、「相続放棄」を選択する人が増えているのです。
実際に、私の事務所にも「相続放棄」や財産(田舎の不動産)を処分したい旨の相談がたくさんきます。
また、これに伴って別の問題も出ています。
それは、「相続放棄」をしたら別の人が相続人になってしまうということです。
知らないうちに自分が相続人になり、いきなり固定資産税の請求や借金の督促が届くなんてことになります。
親族間で連絡を取り合っているなら大丈夫ですが、疎遠になっている場合は怖いです。
このような問題があることや、「相続放棄」のやり方について知っていれば、いきなり相続人になったことを知っても冷静に対処できると思います。
「相続放棄」に限らず、様々な知識を身につけ、損をしない自由な人生を送りましょう!
では、これで終わります!
「相続放棄」するのは簡単ですが、「相続放棄」の影響はとても大きいです。
手続きをする前に、まずはよく考えてみてください!
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