こんにちわ!
このブログの管理人ペン介です!
ここでは商業登記の専門家である司法書士の私が、フリーランスの法人化について分かりやすく解説しています。
事業が好調なフリーランス(個人事業主)は法人化を考えると思います。
では、事業が好調ならいつ法人化しても良いのでしょうか?
いいえ、そのようなことはありません。
フリーランスには法人化に良いタイミングがありますし、法人化するうえで考慮することがたくさんあります。
では、どのようなことを考慮し、どのタイミングで法人化するのが良いのでしょうか?
この記事では、フリーランスの法人化するタイミング、法人化のメリット・デメリットについて学ぶことができます。
法人化したら格好いいですよね!
しっかりと学んでみましょう!
メリットからフリーランスの法人化を考える
まずは法人化のメリットからフリーランスの法人化を考えてみます。
メリットは以下のとおりです。
順番に解説します!
1.給与所得控除
フリーランスの所得税・住民税の課税所得は、「売上-必要経費-各種控除=課税所得」で算出します。
これに対し、給与所得者の所得税・住民税の課税所得は「給与-給与所得控除-各種控除=課税所得」で算出されます。
この給与所得者だけに認められる「給与所得控除」の額は「収入金額×20%+440,000円」で算出します。
※令和2年の給与が360万円から660万円までの場合
給与が600万円の場合、「給与所得控除」は164万円です。
このように、給与所得者には「給与所得控除」という大きなメリットがあります。
もちろん、社長の役員報酬にも「給与所得控除」は認められます!
2.赤字の繰越控除
フリーランスは赤字だった年の損失を最大3年間繰り越すことができます。
つまり、赤字だった年の損失分黒字の年に節税することができるのです。
この赤字の繰り越しは、法人にも認められています。
しかも、法人の場合は赤字だった事業年度の損失を最大9年間繰り越すことができるのです。
※平成30年4月1日以後に開始する事業年度については、最大で10年間損失を繰越すことができます
赤字を9年間繰り越せるのは大きいですね。
3.役員報酬・退職金が経費
フリーランスは自分への報酬(?)を経費に計上することはできません。
しかし、法人は役員報酬を経費に計上することができます。
ただし、役員報酬を経費とするには、原則的に会計年度の初めに報酬の金額を決め、毎月同額の報酬を支給する必要があります。
途中で報酬を上げ下げすることはできません。
また、法人は退職金を支払うことができ、更に経費に計上することもできます。
これに対し、個人事業主は退職金を経費に計上することはできません。
4.経営者は有限責任
フリーランスは自分の事業に損失が出た場合、自身が責任を負ってその損失をどうにかする必要があります。
これに対し、法人(株式会社・合同会社)の場合は出資者がその出資の範囲内で責任を負うことになります。
会社が破産したからといって、経営者も破産するわけではないということだね!
5.社会からの信用
フリーランスと法人では社会からの信用が全然違います。
人によっては法人としか取引をしないという人がいます。
法人化することにより、仕事の幅が広がります。
また、銀行からの信用も法人の方があるため、資金調達の面でも法人に軍配があがります。
会社は登記簿謄本があるし、経理もしっかりしてるからね!
デメリットからフリーランスの法人化を考える
次は、法人化のデメリットからフリーランスの法人化を考えます。
順番に解説します!
1.設立手続きが大変
法人化するためには会社を設立しなくてはいけません。
詳しい設立方法は「「株式会社」設立の流れを分かりやすく解説!」と「「合同会社」って何?設立の流れを分かりやすく解説!」の記事をご覧ください。
この設立手続きには、時間と費用がすごくかかります。
面倒な設立手続きは司法書士に依頼し、事業に集中しましょう!
2.経理が大変
フリーランスは2月、3月に地獄の確定申告を行います。
しかし、法人になると年末調整や決算などの複雑な経理をしなくてはなりません。
この大変さはフリーランスの比ではありません。
自分でやることは難しいので、税理士に依頼することになると思います。
税理士に依頼すれば、事業に集中できますね!
3.法人住民税
法人化したら「法人住民税」という税金を納税することになります。
「法人住民税」は会社が赤字であっても課税されます。
4.報酬の固定化
報酬を経費に計上するためには、報酬を事業年度の初めに決定し、毎月定額支払う必要があります。
途中で報酬を上げ下げすると利益操作とみなされる恐れがあります。
自由に報酬を貰うことはできないということですね!
5.清算手続きが大変
会社の設立を考えているときに、会社の清算について考えるのは難しいですが、そこについても是非考えてみてほしいです。
なぜなら、現在、清算しないで放置されている会社が問題となっているからです。
フリーランスの廃業手続は簡単ですが、それに対し会社を畳む手続はとても手間がかかります。
会社の清算手続には司法書士、税理士、弁護士等の専門家が関与するケースがあります。
フリーランスが法人化するベストタイミングは?
全てのフリーランスには非課税取引を除き、消費税の納税義務が課せられています。
しかし、前々年の課税売上高が1,000万円以下である場合は消費税の納税義務が免除されます。
ケースによっては消費税が課税されることがあるので注意してください。
当然、開業前は売上がありません。ですので、少なくとも開業してから2年間は消費税の納税が免除されることになります。
これは法人(資本金1,000万円未満)の場合も同様です。
※法人の場合は前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下である場合は消費税の納税義務が免除されます。
ということは、フリーランスの法人化により最高で4年間消費税が免除されるということになります。
ここから、フリーランスの法人化するベストなタイミングが分かります。
つまり、フリーランスとしての課税売上高が1,000万円を超えた後で、消費税の課税事業者になる直前が法人化のベストタイミングと言えます。
フリーランスの法人化を考える【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
法人化は事業にとって大きな転機になります。
この記事に書いていることだけでなく、今後事業をどうしたいのか、事業の今後の見通しはどうか等をじっくり考えて決断する必要があります。
お金はかかってしまいますが、専門家に相談してみるのが良いと思います。
この記事が法人化を考えている方の参考になれば嬉しいです。
では、これで終わります!
⇒自分でも会社設立について学んでみましょう!
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