こんにちわ!
このブログの管理人ペン介です!
ここでは法律事務の専門家である司法書士の私が、売掛金の時効について分かりやすく解説しています。
どうぞ、ゆっくりしていって下さい!
支払ってもらえない報酬を放置していませんか?
長い期間放置していると売掛金が消滅時効にかかってしまい、支払いを受けることができなくなってしまう恐れがあります。
この記事では、フリーランスが知っておくべき売掛金の時効について解説します。
本来なら時効など気にせず、すぐに売掛金を回収するべきです。
しかし、もしものときのためにフリーランスは時効について知っておきましょう!
新人フリーランスのヒナ丸です!
一緒に時効について学び、フリーランスとしてレベルアップしましょう!
売掛金の時効は?
売掛金の時効期間は職業によって異なるんですか?
教えて!ペン介先生!
以前は、職業によって時効期間が異なっていました。
しかし、令和2年4月1日に新民法が施行され、職業別の時効期間がなくなりました。
売掛金の時効期間は現在5年に統一されています。
令和2年4月1日より前は、職業別に時効期間が決まっていました。
しかし、新民法の施行により職業別の時効期間がなくなり、以下の規定に変更されました。
166条
1 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
(1) 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
(2)権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。
売掛金は債権なので、権利を行使することができることを知った時から5年間、又は、権利を行使することができる時から10年間で時効になります。
5年、10年と記載されていますが、売掛金の時効期間は5年で覚えておきましょう!
ただ、令和2年4月1日より前に結ばれた契約が原因で発生した売掛金は旧民法の適用があるので注意して下さい。
時効期間が5年もあれば、何らかの対応はできるね!
売掛金の時効期間開始は?
「権利を行使することができることを知った時から」とあるけど、具体的にいつから時効期間は始まるんですか?
ケースごとにまとめたので、以下をチェックして下さい。
1.契約で支払日が決められている場合
支払日から時効が開始されます。
支払日が決まっている場合は、その日から5年で時効になります。
2.契約で支払日が決められていない場合
支払日が決められていない場合、大抵のフリーランスには民法の「請負」の規定が適用され、仕事終了後に仕事の目的物を相手方に引き渡したときが支払日になるものと考えられます。
ですので、仕事の目的物を引き渡した日が時効期間の開始日になります。
※契約によっては「請負」の規定が適用されない場合があります。
支払日を契約で定めていなかった場合、相手方と時効期間の起算点を争うことになると思います。
面倒なことにならないよう、契約書に支払日を記載するようにしてください。
売掛金の時効期間が過ぎたとき
売掛金の時効期間が過ぎてしまった場合は、泣き寝入りするしかないの?
相手方が時効の利益を受ける旨の意思表示(時効の援用)をしない限り、売掛金は消滅時効にかかりません。
ですので、時効期間が経過していても請求をしてみましょう。
そして、相手方が支払うと言えば、相手方は時効の利益を受けることができなくなります。(時効期間が一旦ゼロに!)
時効期間が経過していた場合
- 請求・交渉してみる
- 相手方が時効を援用する意思表示をしなかった場合、念書や債務承認契約書、準金銭消費貸借契約書を書いてもらう
相手方が時効の援用をしなかった場合、念書などを書いてもらい、相手方が債務を承認したという証拠にしましょう!
証拠を残すのはフリーランスの基本だね!
時効を止める方法
時効を止める方法はないの?
時効の完成を妨げる手段として、「時効の完成猶予」と「時効の更新」があります。
以下で解説します!
時効の完成猶予例
- 裁判上の請求等
- 強制執行等
- 仮差押え等
- 催告、天災、協議をする旨の合意
時効の更新例
- 裁判上の請求が確定
- 強制執行手続き終了(取下げ・取消しは除く)
- 債務の承認
時効の完成猶予がなされると、一定期間時効の進みがストップします。その猶予期間が終わると、ストップする前の時効期間から再度時効がスタートします。
ですので、時効の完成猶予がなされている間に、裁判で請求を認めてもらったり、相手方に報酬の未払いがあることを認めてもらう必要があります。
時効の更新がなされると、今までの時効期間は一旦ゼロになり、再度1からスタートします。
これで、しばらくの間は安心できます。
時効が完成猶予又は更新されると一先ずは安心ですね!
その間に売掛金を回収しましょう!
売掛金は時効になる前に回収しよう!
売掛金は遅くなればなるほど回収が難しくなります。
ですので、仕事が終了した後にすぐ回収するようにしましょう。
そして、回収をスムーズに行うためにも、仕事を請ける前に相手方と報酬の支払日を確認する必要があります。
もし、相手が報酬をなかなか支払ってくれない場合は、そのまま放置するのではなく、すぐに回収作業に移りましょう。
売掛金回収手続きについては、次の「フリーランスの報酬未払い金への対応を分かりやすく解説!」で解説していますので、是非参考にしてみてください。
「時効はいつまでか」なんて考えずに、売掛金はすぐに回収するようにしましょう!
そうすれば、時効で焦ることもありません。
時効は気にせず、売掛金はすぐに回収!ですね!
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