フリーランスは「下請法」で身を守るべし!

下請法 フリーランスの基礎知識
ペン介先生
ペン介先生

こんにちわ!
このブログの管理人ペン介です!
ここでは法律事務の専門家である司法書士の私が、下請法について分かりやすく解説しています。

どうぞ、ゆっくりしていって下さい!

こんな人に読んでほしい!
  • フリーランス
  • フリーランスに仕事を依頼する人
  • 下請法について知りたい人

企業から無茶な注文をされ、泣き寝入りをしているフリーランス(個人事業主)は少なくないはず。

そんな立場の弱いフリーランスの味方になってくれる法律が「下請法」です。

この記事を読むことで、フリーランスが依頼主である企業と、対等に話をすることができるようになります。

しかし、「下請法」は「下請法」を知っている人のことしか守ってくれません。

フリーランスはこの記事を読んで、「下請法」について学び、自分の身を守れるようになりましょう!

ペン介先生
ペン介先生

強大な敵と戦うためには強力な武器が必要です!
フリーランスにとって「下請法」は最強の武器になる!

ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

新米フリーランスのヒナ丸です!
一緒に強力な武器「下請法」を手に入れましょう!

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フリーランスを守る「下請法」とは?

疑問
ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

そもそも「下請法」ってなに?

ペン介先生
ペン介先生

「下請法」は正式には「下請代金支払遅延等防止法」と言います。
「下請法」の目的は条文の第1条に載っています。

第1条
この法律は、下請代金の支払遅延等を防止することによつて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。

ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

よく分からない…

ペン介先生
ペン介先生

硬い言葉で書いてありますが、要するに「下請法」は下請事業者が親事業者と安心して公正な取引ができるようにするための法律です。

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「下請法」の要件を確認!

要件
ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

「下請法」はフリーランスを親事業者の不当行為から守ってくれるってことだね!
どんな親事業者からも守ってくれるの?

ペン介先生
ペン介先生

全ての親事業者が「下請法」の対象となるわけではありません。
フリーランスの場合、資本金1,000万円超の法人と仕事をするときに問題になると頭に入れておきましょう。

「下請法」の対象となる人物、取引の詳細は以下のとおりです。

1.物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合

(1)物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合の模式図
https://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/gaiyo.html

(1)物品の製造委託
 物品を販売し、または製造を請け負っている事業者が規格、品質、形状、デザイン、ブランドなどを指定して、他の事業者に物品の製造や加工などを委託すること

(2)修理委託
 物品の修理を業として請け負っている事業者が、修理行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること

(3)政令で定める情報成果物作成委託
 情報成果物の提供や作成を行う事業者が、他の事業者にプログラム(テレビゲーム、パソコンソフト等)の作成を委託すること

(4)政令で定める役務提供委託
 各種サービスの提供を行う事業者が、請け負った運送、物品の倉庫における保管、情報処理を他事業者に委託すること

公正取引委員会・中小企業庁「下 請 代 金 支 払 遅 延 等 防 止 法 ガ イド ブック」を参照

2.情報成果物作成・役務提供委託を行う場合(1の情報成果物・役務提供委託を除く。)

(2)情報成果物作成・役務提供委託を行う場合((1)の情報成果物・役務提供委託を除く。)の模式図
https://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/gaiyo.html

(1)情報成果物作成委託(1を除く)
 情報成果物の提供や作成を行う事業者が、他の事業者に、映画、放送番組その他影像又は音声その他の音響により構成されるもの(アニメ等)の作成、又は、文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの(デザイン、設計図等)の作成を委託すること

(2)役務提供委託(1を除く)
 各種サービスの提供を行う事業者が、請け負った運送、物品の倉庫における保管、情報処理以外を他事業者に委託すること

公正取引委員会・中小企業庁「下 請 代 金 支 払 遅 延 等 防 止 法 ガ イド ブック」を参照

ペン介先生
ペン介先生

資本金1,000万円超の企業と取引するデザイナーやプログラマー等のフリーランスは当てはまる可能性が高いです!

※「下請法」の対象となるかの判断は法律家、又は、下請かけこみ寺に相談するようにして下さい。

ペン介先生
ペン介先生

「下請法」の要件を満たさないときは「独占禁止法」が使えないか検討します。
次の記事で「独占禁止法」について解説しています。

「下請法」で禁止されていること

禁止行為
ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

「下請法」の対象となる人、取引について分かったよ!
次は「下請法」で親事業者が禁止されていることを教えてよ。

ペン介先生
ペン介先生

「下請法」で禁止されていることはたくさんあります。
詳しくは下を参考にして下さい。

親事業者の禁止行為

1.受領拒否の禁止
 (例)発注元の都合による仕様等の変更を理由として,下請事業者に責任がないのに,あらかじめ定められた納期に下請事業者の給付を受領しなかった。

2.下請代金の支払遅延の禁止
 親事業者は物品等を受領した日(役務提供委託の場合は,役務が提供された日)から起算して60日以内に定めた支払期日までに下請代金を全額支払わないと下請法違反となります。

3.下請代金の減額
 親事業者は発注時に決定した下請代金を「下請事業者の責に帰すべき理由」がないにもかかわらず発注後に減額すると下請法違反となります。

4.返品の禁止
 親事業者は下請事業者から納入された物品等を受領した後に、その物品等に瑕疵があるなど明らかに下請事業者に責任がある場合において、受領後速やかに不良品を返品するのは問題ありませんが、それ以外の場合に受領後に返品すると下請法違反となります。

5.買いたたきの禁止
 親事業者が発注に際して下請代金の額を決定するときに、発注した内容と同種又は類似の給付の内容(又は役務の提供)に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定めることは「買いたたき」として下請法違反になります。

6.購入・利用強制の禁止
 親事業者が、下請事業者に注文した給付の内容を維持するためなどの正当な理由がないのに、親事業者の指定する製品(自社製品を含む)・原材料等を強制的に下請事業者に購入させたり、サービス等を強制的に下請事業者に利用させて対価を支払わせたりすると購入・利用強制となり、下請法違反となります。

7.報復措置の禁止
 親事業者が、下請事業者が親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由として、その下請事業者に対して取引数量を減じたり、取引を停止したり、その他不利益な取扱いをすると下請法違反となります。

8.有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
親事業者が下請事業者の給付に必要な半製品、部品、付属品又は原材料を有償で支給している場合に、下請事業者の責任に帰すべき理由がないのにこの有償支給原材料等を用いて製造又は修理した物品の下請代金の支払期日より早い時期に当該原材料等の対価を下請事業者に支払わせたり下請代金から控除(相殺)したりすると下請法違反となります。

9.割引困難な手形の交付の禁止
 親事業者は下請事業者に対し下請代金を手形で支払う場合、支払期日までに一般の金融機関で割り引くことが困難な手形を交付すると下請法違反となります。

10.不当な経済上の利益の提供要請の禁止
 親事業者が、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害すると下請法違反となります。

11.不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
 親事業者が下請事業者に責任がないのに、発注の取消若しくは発注内容の変更を行い、又は受領後にやり直しをさせることにより、下請事業者の利益を不当に害すると下請法違反となります。

https://www.jftc.go.jp/shitauke/shitaukegaiyo/oyakinsi.htmlを引用

ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

はえ~
たくさん禁止されてるんだね!

ペン介先生
ペン介先生

何となくで良いので頭に入れておきましょう!

「下請法」違反行為への対処法

対処法
ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

実際に親事業者から禁止行為をされたときはどう対処すれば良いの?

ペン介先生
ペン介先生

対処法としては
・自分で親事業者に伝える
・法律家に任せる
・公正取引委員会に報告
が考えられます。

禁止行為に該当するかの判断は難しいですので、必ず法律家又は公正取引委員会に相談するようにしてください。

下請法違反と思われるような行為があったら、まずは専門家や下請かけこみ寺に相談するようにしましょう!

相談し、下請法違反であることが分かったら行動するようにしてください。

1.自分で親事業者に伝える
まず、自分で親事業者に下請法違反であることを伝えてみましょう。伝え方は、証拠を残すために内容証明郵便で書面を送付する方法が好ましいです。
それでも相手が改善してくれない場合は専門家から伝えてもらうか、公正取引委員会に違反行為があった旨報告しましょう。

2.専門家に任せる
専門家から伝えることで、相手方も事の重大さに気が付き、今後の対応も改善されることでしょう。
また、専門家に任せることで、自分で動かなくても良いため、精神的にも楽です。
ただ、相手によっては印象が悪くなり、今後仕事がもらえなくなる可能性も…

3.公正取引委員会に報告
 最初から公正取引委員会に報告しても構いません。
 インターネットからの報告はこちら

素人判断で下請法に違反するものとして行動すると危険ですので、まずは法律家や相談窓口に相談するようにしてください。

ペン介先生
ペン介先生

その後の相手方との関係が悪くなるかもしれないので、最初から公正取引委員会に連絡するのはオススメしません。
公正取引委員会への連絡は最終手段にしましょう。

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「下請法」のここに注意!

注意

先に述べた親事業者の禁止事項は強行法規になります。

強行法規というのは、法律とは異なる定めを当事者間の契約で定めたとしても、その法律の規定が適用される法律の規定のことをいいます。

つまり、フリーランスが仕事を受ける際に結ぶ契約に、下請法の禁止事項に該当する規定があったとしても、その規定に関しては無効になります。

ですので、親事業者に対して、契約書に記載された違反規定を無視して、下請法に基づく対応を要請することができます。

ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

「下請法」の効力はすごく強いんだな~

ペン介先生
ペン介先生

だから「下請法」は最強の武器なのです!

フリーランスは「下請法」で身を守ろう!

これで大丈夫

いかがだったでしょうか。

少しでも「下請法」について理解していただけたでしょうか?

フリーランスは自分の身は自分で守らなくてはいけません。

しかし、誰も法律や制度教えてくれません。

では、どうやって身を守る手段を身につけるのか

それは、自分で学ぶしかありません。

フリーランスになったからには、自分の仕事の情報だけでなく、仕事以外の情報も幅広く収集するように心がけましょう。

このブログでは、フリーランスの役に立つ情報や知識を発信しています。

時間のあるときに覗いてみて下さい。

では、これで終わります!

ペン介先生
ペン介先生

次は、「下請法」と同じくフリーランスの武器となる「独占禁止法」について学んでみましょう!

ヒナ丸くん
ヒナ丸くん

フリーランス向けの、簡単に法律や税について学べる本はないですか?

ペン介先生
ペン介先生

フリーランスが知らないと損するお金と法律のはなし」をおすすめします。
法律や税の初心者にも分かりやすく書いてあります。
この本を読んでおけば大体大丈夫ですよ!

ペン介先生
ペン介先生

「フリーランスが知らないと損するお金と法律のはなし」のレビューは「【フリーランスが知らないと損するお金と法律のはなし】個人事業主・フリーランスに読んで欲しい本」の記事をご覧下さい。

このブログの管理人
ペン介

鳥綱ペンギン目

気ままな自営業生活を送っている田舎司法書士

法教育に携わる度、義務教育で法律や税について授業をすべきだと常々思っている

このブログを通して法律について多くの人に知ってもらいたい

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