こんにちは!
このブログの管理人ペン介です!
ここでは司法書士の私が、あまり知られていない遺言書の「検認」について解説しています。
「遺言書」という言葉を聞いたことがあると思います。
「遺言書」とは、亡くなる前に自分の死後に関する意思表示を書き記したものです。
これについて知っている人は多いでしょう。
では、「検認」をご存知でしょうか?
「検認」について知っている人は少ないと思います。
私も、司法書士になる前は「検認」という存在を知りませんでした。
「遺言書」には「検認」という手続きが大きく関わってきます。
そして、「検認」を知らないと面倒なことになるかもしれません。
「遺言書」は皆が関わるかもしれない大事なことです。
是非、この記事を読んで「検認」について知って下さい。
昨今、「終活」という言葉と共に「遺言書」の重要性が語られることが多いです。
しかし、「検認」の認知度は低いです。
ここで、是非「検認」について学んでみて下さい!
遺言で重要な「検認」って?
まずは「検認」について解説します!
検認
家庭裁判所に相続人が集まり、その内容や形状を確認して偽造や変造を防止するための手続き。
遺言書を発見した相続人や遺言書を保管していた者は、遺言者の死亡後遅滞なく家庭裁判所に遺言の検認を請求しなくてはいけない。
封のしてある遺言書を勝手に開封してはいけません。
封は検認の手続きにて開封しなくてはいけません。
検認手続きをしないで遺言内容を執行、または、封のしてある遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料(罰金みたいなもの)に処せられます。
遺言書を発見したら、開封せずに検認の手続きを行いましょう!
遺言書を検認しないとどうなるのか詳しく知りたい人は、「遺言書を検認しないとどうなる?司法書士が分かりやすく解説!」の記事を参考にしてみて下さい。
「検認」の必要な遺言
遺言書には3種類あります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
それぞれの特徴を簡単に解説します!
1.自筆証書遺言
自分で書き記す遺言書のことで、大多数の人が思い浮かべる遺言書はこの自筆証書遺言のこと。
法律で要件が決められており、要件を満たさないと無効になってしまうので注意が必要。
令和2年7月10日から法務局での保管制度が始まりました。
2.公正証書遺言
公証人が遺言者の意に沿って作成する遺言書のこと。
公証人という法律のプロが作成、保管してくれるので安心。
3.秘密証書遺言
公正証書遺言と同じく公証人の関与する遺言だが、遺言内容を公証人に知られることはない。
要は、自筆証書遺言を内容を伏せて公証役場で保管すること。無効になる可能性もある。
遺言内容を知られたくないときに利用することになるが、私は利用したという話を聞いたことがない。
「検認」が必要になるのは、自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合です。
公正証書遺言の場合、原本が公証役場に保管されるので偽造や変造されることがないのです。
「検認」の流れ
次に「検認」の手続きについて解説します!
「検認」の大まかな流れは以下のとおりです。
以下で詳しく解説します!
申立て
申立先
遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
家庭裁判所の管轄はこちらから検索してください。
申立費用
収入印紙800円分+郵便切手(相続人への通知に使う)
⇒郵便切手代は裁判所ごとに異なるので、裁判所に問い合わせてみてください。
必要書類
共通で必要な書類(子、父母が相続人の場合はこの書類だけ)
- 申立書
- 遺言者の出生から死亡までの戸除籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
孫が相続人の場合(+配偶者)
- 遺言者の子の出生から死亡までの戸除籍謄本
祖父母が相続人の場合(+配偶者)
- 父母の死亡の記載のある戸除籍謄本
兄弟姉妹が相続人の場合(又は配偶者のみの場合)
- 父母の出生から死亡までの戸除籍謄本
検認手続きの日程調整
家庭裁判所に書類を提出し書類に不備がなければ、裁判所書記官から申立人に日程調整の電話があります。
その電話で日程が決まります。
日程が決まると、裁判所から全相続人に検認期日の通知書が発送されます。
申立人にも通知書が届き、通知書に検認に必要な物が記載してあります。
管轄の家庭裁判所によって日程調整のやり方が異なるかもしれないので、申立時に確認するようにしましょう。
検認
検認期日に、出席相続人立会いのもと遺言の検認が行われます。
申立人以外の相続人は検認に立ち会わないこともでき、検認は相続人全員が揃わなくても行われます。
遺言の検認が終わったら、遺言を執行するために必要な検認済証明書の申請をしましょう。(収入印紙150円分必要)
これで遺言書の「検認」は終わりです。
申立から「検認」まで約1ヶ月くらいかかります。
※裁判所の混み具合にもよる
「検認」申立は自分で出来るのか?
検認の申立を専門家に依頼すると費用が当然かかってしまいます。
費用を抑えるために、自分でやりたい人も多いと思います。
では、申立を自分1人で問題なくできるのでしょうか?
安心してください。
私は出来ると思います。
戸籍を集めて申立書を書くだけなので、専門家に依頼しなくても自分で出来ます。
しかし、相続関係が複雑なときや相続人が多いとき、管轄家庭裁判所が遠方のときはとても面倒です。
戸籍を集める作業だけでも一苦労します。(本籍地が遠方の場合、郵便で何度も戸籍を取り寄せることになるかも…)
そんなときは、是非専門家に依頼してみてください。
面倒な作業を全部代わりにやってくれるので、時間を奪われなくて済みます。
「検認」は専門家である司法書士や弁護士に依頼しましょう!
その他の資格者にとって「検認」は権限外の仕事になります。
遺言では「検認」が重要
ここまで説明したとおり、自筆証書遺言と秘密証書遺言では「検認」の手続きが必須です。
「検認」をしていないと遺言の執行をすることは出来ません。
「検認」手続きを経なくてはいけないので、結構面倒です。
また、自筆証書遺言や秘密証書遺言だと遺言の内容が曖昧だったり、要件を満たしていないばかりに無効になってしまう恐れがあります。
遺言書を紛失してしまう恐れもあります。
このようなことから、私はいつも自筆証書遺言ではなく公正証書遺言の作成をおすすめしています。(遺言内容を誰にも知られたくないなら秘密証書遺言が良いですが…)
公証人の手続費用がかかってしまいますが、安心です。
遺言書や相続手続きに悩んでいるときは、近くの司法書士に相談してみてください。
きっと、親身に相談にのってくれると思います。
では、これで終わります!
このブログでは、次の「「相続放棄」のやり方を司法書士が分かりやすく解説!」や「相続登記は義務ではないがやった方が良い!」の記事など相続に関する記事を書いています。
興味のある人は是非読んでみて下さい。
⇒これを使えば専門家に頼まなくても自分で遺言を書けるかも!?
コメント